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2022

部員blog No.21 #孤独

 孤独

 

僕は孤独だった。

 

何の不自由もなくぬくぬくと川崎の公立小学校、中学校に通っていた僕に大きな人生の変化が訪れた。アメリカに移住することになった。中学2年生の時にアメリカへ転勤した父親に帯同し、英語を全く話せないままアメリカの現地校に編入した。

 

そこで僕は孤独を初めて経験した。日本の色々な友達と縁が切れた。学校やラグビースクール、塾など居心地が良かった場所にたくさん友達がいたが、すべてが急に目の前からなくなり、アメリカという日本から1万キロも離れた場所で孤独になった。

そして、僕はどう頑張っても僕の存在をアメリカの人々に受け入れられないことに気づいた。そりゃそうだ。会話できない人とわざわざ自分から話そうと思わない。この頃からだろうか。学校では下を常に向いて誰よりも早歩きで教室を移動し、放課後は誰よりも早く帰宅するようになったのは。

 

そんな僕もアメリカで高校生になった。そんな時、父親に「高校でアメフトやってみないか?」と言われた。

最初はとても嫌だった。自分みたいな人がいたら周りも困るだろうし、何よりキラキラしているアメフト部に入って自分がなじめるとは到底思っていなかった。だが、結局やってみることにした。半ば無理やりではあったが。

結果、初日の練習から意外と現地のアメリカ人に勝てた。タッチフットだったが、ステップを切れば相手のタックルをかわせたし、タッチダウンも取れてしまった。正直、一番活躍していた。日本でラグビーをやっていた日本の日常を思い出すとともに、アメリカでも活かせることに気づいて自然と笑みがこぼれた。控え目に言っても、めちゃくちゃ楽しかった。

 

そして、何よりタッチフットが終わった時に多くのチームメイトが声をかけてくれた。「アジア人のくせにやるやん!」といろいろな人に言われた。人種差別的ととらえる人もいるだろう。僕にとっては最高の誉め言葉だった。自分は英語を使えないからアメリカの人には受け入れられない、と私が感じていたことは、僕が勝手に思っていたことだった。

本当は全員優しくて、しっかり「僕」という存在を見てくれる、仲間だと思ってくれるということにやっと気づくことができた。

 

こうして、僕の孤独は終わった。1年目のシーズンは全部の試合に負けてしまったが、僕の心は常に満たされていた。毎日楽しく練習に行き、コーチにいろいろ教わりながら仲間と上達する。練習が終わったら頑張ってチームメイトと仲良く話す。このような普通の日々が、僕にはとても幸せであった。アメリカにも自分の居場所を見つけることができたことは私にとってかけがえのないものだった。

 

僕は今アメフトを日本に戻ってきた今も続けている。正直、練習などが大変ですべてを投げ出したくなることもある。だが、たまにインスタグラムなどに写真を投稿すると、アメリカの友達がコメントしてくれる。1万キロも距離が離れていても、僕を心から支えてくれている。孤独を経験できたからこそ、人々の温かさや自分を支えてくれる人の存在に気づくことができ、ありがたみを享受できる。そのようなことの繰り返しで、毎日練習に取り組める。

 

だから、アメリカに行けて本当に良かった。孤独になれてよかった。そして何より、アメフトに出会えてよかった。

 

日頃サポートしてくださる人々への感謝を常に忘れず、今シーズンも活躍します。応援よろしくお願いいたします。


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